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動画の内容
皆さんこんにちは。産婦人科専門医の山田卓博と申します。今日は妊活にまつわる、とても面白いお話をお届けしていきます。
まず、腸内フローラという言葉を皆さん聞かれたことがあるかと思います。これは消化管の表面に様々な菌がびっしりと張り巡らされていて、まるでお花畑のようだというところから、腸内フローラというふうに言われており、近年注目されています。
それは消化管が単に食物を消化して吸収して排泄するという管としての役割だけではなく、免疫系それから神経系と非常に関わりがあり、また、消化管からホルモンを分泌して体の全身をコントロールしたりする第2の脳である。そのようにも言われています。
この腸内フローラの中で、非常に重要な菌になってくるのがビフィズス菌になります。これは善玉菌であり、また、乳酸菌でもあるんですけれども、この消化管の中の環境がビフィズス菌が優位であることを保つことによって、単にお通じがいいだけではなくて、心や体の健康にも非常に重要であるということが最近わかってきています。
ビフィズス菌、有利な環境を保つような生活習慣をすることを腸活というふうに言ったりして、最近話題になっていましたね。で、ここからちょっと婦人科の話題に入って いきます。
比較的最近の2015年に、子宮の中にラクトバシラス菌というものが存在するということが発表されました。
で、これ何が衝撃的かと言いますと、これまで子宮の中にはほとんど菌がいない、もしくは無菌である。そのように考えられてきていたんです。
ところが、子宮の中にこのラクトバシラス菌がいるということが発見されたということで、様々な研究がなされていきました。
で、このラクトバシラス菌というものが何かと言いますと、まず、乳酸菌であり、そして善玉菌であります。で、こちらの図にありますように、非常に小さなちょっとこう細長い形をした菌になります。これは以前から知られていたことなんですけれども、このラクトバシラス菌は、膣内で糖を分解して乳酸を分泌し、膣内を酸性に保つという、非常に大切な役割を果たしていました。
膣内を酸性にすることによって、様々な細菌とかそれからカンジタ菌の繁殖を抑えたり、また、クラミジアの感染を予防する。 しにくくするなどの感染症を予防する、そのような効果がありました。
ところがこの子宮の中にも、このラクトバシラス菌がいるということによって、これがその着床であったり、妊娠の継続に非常に重要な役割を担っている。そのようなことが最近わかってきました。
こちらのイラストは、女性器のイラストになります。で、このように膣と子宮というのは、非常にこう連続していますので、膣内の細菌層の環境、つまり膣内フローラは子宮内フローラと密接に関わってきます。
子宮内と膣内のラクトバシラス菌の存在と、それから妊娠率の関係を表した研究というのは、非常にたくさんあるんですけれども、一つお示しします。
まず、ラクトパシラス菌が非常にたくさんいる、正常細菌層の女性、それから逆にラクトバシラス菌が減ってしまって、細菌 が増えてしまっている細菌性膣性の女性と、それからその中間群の妊娠率を比較したものになります。
このように正常細菌層であったり、中間群であったりしてラクトバシラス菌がある程度いる場合の妊娠率は、このように非常に高いのに対して、ラクトバシラス菌が減ってしまって、細菌が増えてしまっている女性では、妊娠率がこのように下がっているということがわかると思います。
ここで気になってくるのが、ではどのようにしたら子宮内、膣内のラクトバシラス菌を増やすことができるのか、ということになると思います。
こちらの図は、女性の骨盤を横から見た図になるんですけれども、この緑でお示しした部分が、膣内そして子宮内になり、ここの細菌層が非常に重要であるということをお話しし ました。
実際にここに直接乳酸菌のお薬を入れたりするという試みもされているんですけれども、なかなか膣内にお薬を入れるというのはあまり抵抗もあるかもしれませんし、一般的じゃないかもしれません。
女性の場合、このすぐ後ろのところに大腸であったり、直腸であったりがありまして、先ほどお話した腸内フローラと、この子宮の中の子宮内フローラー、非常に密接な関わりがあります。
つまり、腸内フローラーを改善することができれば、子宮内、膣内のフローラを改善することも期待することができます。では、どのような生活を心がけていけばいいのかについて、ちょっとお話をさせてください。
膣内環境を改善する生活習慣の工夫になりますね。まず、免疫力を高めるようなものは非常に大切になりますので、食事や休息、ストレスの改善など、大切になってくると思います。
そして発酵食品の中には、非常に様々な種類の乳酸菌が含まれていますので、ヨーグルトとかチーズ、ぬか漬け、納豆、味噌、このようなものを積極的に摂ることは非常に大切になります。
また、ラクトバシラス菌を死滅させてしまうような、抗生物質の使用は最小限に留めるべきだと思います。そして、陰部を清潔に保ちつつ、また、洗いすぎないように気をつけることも大切になりますね。
そして、私が外来でよく患者さんにもお伝えしているんですけれども、織物シートなどを常用していると、非常に通気性が悪くなって、蒸れやすくなって、痒みとかそれから皮膚のトラブル、そしてカンジタ菌の増殖などを増やしたりする恐れがありますので、できる限り織物シートを常用したりはしないで、通気性の良い下着を着用する。こういったことも大切になってくると思います。
そしてこれらの生活習慣の工夫というのは、そんなに急に劇的にできるものではなかったりしますので、私個人的にはサプリメントの使用もここに勧められるかなというふうに考えております。
また、乳酸菌のサプリメントというの は非常にたくさんありますし、そして乳酸菌の種類自体も非常にたくさんあります。その中で、その膣内フローラ、子宮内フローラの改善に非常に重要なのは、先ほどお話ししましたように、ラクトパシラス菌になりますので、このラクトパシラス菌ということに注目したサプリメントというものを摂ることを、妊活それから妊娠の継続を希望される方には非常に勧められることになります。ご覧いただきありがとうございました。